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「時には連絡しあって..」

2014年11月27日 19:38

二年おきに開催する
油絵の個展会場
受付に久しぶりの顔

"おっ久しぶり!"
思いっきり抱きつく
それは、男女関係なく
二年前は顔を出してくれた奴が
今年は来てない
どうしたんだろう?
両親の具合が悪いとは
話には聞いていたけど...

"オッス!今日しか時間が取れんたい。
土曜日はお姉ちゃんのソフト・ボ-ルの試合
日曜日は下の子のピアノの発表会
・・・俺だけ来た"
"奥さんは?"
"去年別れた"
"そうや..."

"YAMAZEN久しぶりです!"
"おっ!隣の可愛い子は?"
"清美って言います。
今年の暮れ結婚します。お腹に.."
"はがいか!お前何時の間に!
とにかくオメデトウ!
さぁ~俺の絵ば2人で見ちゃりやい!"

"山善お前色使いが変わったねぇ~
まぁ20年も描きよりゃ、
画風も変わるくさねぇ~
よかよか!中々いいじぇ!"
"ありがとうございます"

"おっ古澤!お前どげんしようとやぁ!?
近頃FACE BOOKの露出度が
パタっと無くなったばってん"
"山部、俺もアレから色々あったったい"
"コーヒ-飲みに行こう..
何があったか話してんやい
はがいか!お前心配するやないやぁ"

"久しぶりです先輩!"
"俺達もくさぁもう60過ぎたら
気を付けとかないかんじぇ~"
"そう言えば赤司は
どげんしようとですか!?"
"赤司やぁ~あいつやろう
自分の金魚屋が倒産してから
今花屋始めてからクサ..
それがえらい当たってからくさ!
今じゃベンツにポルシェやら
乗りようごたぁ~よ!
山部、お前相変わらず元気そうやないや
何より何より頑張りやい!"

二年振り今度は二年先
お互い連絡しあって
生きて行きましょう...
だって、俺達そんなに若くない。
気持ちはあっても体は正直だ。
自分の体と話しながら行きましょう。
こうなったら
あと40年は生きてやる!

今、20歳のきみが60歳..

「太郎の場合」

2014年11月27日 19:25

太郎は感じた"冷たい!"
朝6時に15階建てのマンションから
外に出た一歩
足の肉球がそう感じた
"本格的な秋が来た"と...
都会で暮らす太郎
やはり秋か冬がいい。
気持ちいい
冬はこの都会ではまるで
スケ-トリンクを
歩いてみたいに冷たい。
夏はジュウジュウ言う鉄板の上を
歩いているみたいだと。
田舎の犬が羨ましい

朝から開いてるパン屋さん
いい臭いがする
ドック・フ-ドにゃもう飽きた
味の濃いのはいけないと
ベジタリアンみたいな味気ない食事
生肉が食べたい
ケ-キが食べたい...

電信柱には
隣のマンションのトイプ-ドル
"イブ"ちゃんの臭いがした
キャンキャン吠えるけど
きっとオイラの事が好きなんだ
クンクンクン...
知らないオス犬の臭いがする
どうやら
中央公園に住んでるノラ犬"片目のJACK"
縄張り争いで左目をやられたそうだ
たくましい臭いがする
オイラみたいなボンボンじゃない
オオカミに近い大人の犬の臭い

ご主人が
同じマンションの未亡人と何か立ち話
おしっこしたいんですけど...
うんちも...
永遠と終わりそうにない
人間の会話

満月の夜
15階から見る月は最高
"アノ月に兎が住んでるのよ太郎..."
MAMAの瞳が潤んでる
多分昔の、アノ頃に見た
満月の夜の出来事を
思い出してるに違いない

ひんやりした
朝のアスファルトの感じが好きだ
砂利道は苦手だ
だってフロ-リングのお家で
育ったんだもん...僕。
しかし朝の都会は実にいいよ
人が誰も居なくて
堂々とシッポを振って歩ける
こんな季節が好きだ
本格的な秋が来そうだ・・・
ご主人のお下がりのTシャツだけは
御免こうむりたいもんだね
あぁ~気持ちいい

「霊柩車に乗って」

2014年11月27日 19:16

壊れたペダル
ヒュ-ズがぶっ飛んだアンプ
3弦と6弦めが切れたギタ-
BASSアンプは音が出ない
調弦されたピアノは質屋の蔵の中
ボ-カリストは声帯をやられてる
満杯の客席にはゾンビの集団
ROCKをやってくれと叫んでる


照明を切ってくれ
PUNK寸前の緊張感
アシッドが用意された楽屋
今日のギャラは
どうやらこれだけらしい
メリケン粉を鼻から肺まで吸い込め
ジャックダニエルを
ビ-ルに突っ込めばDYNAMITE

ベットで叫ぶ女達
吸血鬼並みに疲れを知らない
朝日が昇るまで突っ込め
昼寝もお預け
カ-テンを引いて13回戦
腰が抜けるまでSHAKEするのさ
KISSは血の味だけ
ニンニク入りの唾液でKNOCKOUT
女は言った
十字架で止めをさして

神父様は子供好き
ジェニ-にジョ-ンズ
サラ、幼い子供なら何でもござれ
死にかけた妊婦には興味が無い
生まれたての血の滴る子供を
さぁ~どうぞ
双子より三つ子の方が尚更
一度に三度いい思いが出来る

バス・ドラがドンドン鳴り響く
チュ-ニングを
終えたばかりのギタ-リスト
元気百倍
BASSプレイヤ-は
葉巻でも吸って余裕綽綽
皆に会いたくなったぜ
あんたに、お前に、
可愛いアノ娘に薔薇の花一本
キャデラックに乗って
天国の入り口の手前までDRIVE
帰りは霊柩車に乗って引き返そうぜ

「今夜決めろ」

2014年11月08日 15:26

飛行場の裏手を走る抜け道
LOVE HOTELの横にある保育園
目の前は
道を挟んで大型ス-パ-マ-ケット


ほんの20年の内に
この辺りは様変わり。
大昔からあるLOVE HOTEL
入りづらいぜ!

隣にはこのLOVE HOTELで
愛し合った証の子供たち...。
目の前は、
20年前このLOVE HOTELをよく利用したヤンキ-が
オバサンになってごった返している

この道を通る度に覗き込むのだが
未だ客が入るところを見た事が無い。
日が落ちて
カップルは愛を偲び合うのだろう...
いくらタイム・サ-ビスがあっても
そう簡単にお客は飛びつかない
この辺りのお母さんやおばぁちゃん達が
買い物カゴをぶら下げて行き交うのに
...出来る訳が無い。
と言う事は
昼間は別のLOVE HOTELが繁盛してる事になる
このLOVE HOTELは夜型
子供たちの泣き声や
保育園の先生がヒステリックに叫ぶ声も
聞こえない夜
しかし道挟んでの
大型ス-パ-・マ-ケットは24時間
客足は鈍る。
さぁ~MidnightLoverの始まりだ
どんなに叫んでもかまわない
今夜は君達が貸切
時々,
町内会の"火の用心”が聞こえるだけ。

熱い体から煙が上がってる
誰か消防車を呼んでくれないか
爆発しそうだ・・・
もう我慢できない・・・

何年かのち
保育園に預けられた太郎君
あの夜の出来事の証
可愛いアノ娘は
夕方の半額セ-ルで一汗かく
奴ときたら
この県道223号線のバスの運転手

様変わりしたこの辺り...
何も変わらないLOVE HOTEL
そして奴とアノ娘
たまには人目を偲んで
lOVE HOTELに行きましょう
2人目は確実に、今夜決めろ

「その昔・・・」

2014年11月08日 15:14

柴山さんが言った"喋るな"と。
マコちゃんが言った
"そんなアレンジじゃ博多の恥"と。、
篠山さんが言った
"歌は初めから崩して唄ったらダメ"だと。
浜田さんが言った
"近頃何を聴きようとやぁ?"
浦田さんが言った
"お前、一生かませ犬で終わるつもりや!?"
坂田さんが言った
"お前達そのままで
いいっちゃないとや?"
奈良さんが言った
"BLUESを聴かんと...山部"と。


板東が言った
"真面目に音楽ばしようぜ!"
角野が言った
"お前だけが辛いんじゃない"と。
克が言った
"BEACH BOYSの良さが
やっと分かったよ..."と。
花房が言った
"山部のやって来た事は
嘘じゃない..."と。

森山が言った
"YAMAZEN!博多の三山になろう"と。
北里が言った
"MODSに入った新しいBASSです"と。
陣内が言った
"東京で生きていく為に
ツッパッて生きてるんですよ、誰もが"と。
鶴川が言った
"僕はBOWYの10年先を行ってますから"
穴井が言った
"やめて下さいよ..."
大江が言った
"あの車叩き売ってでも、
俺達デビュ-させてくれよ"
花田が言った"近頃何しよん!?"
池畑が言った。"よう!山部虎次郎"
井上が言った"博多は恐かぁ~"
下山が言った
"あんた達は博多の土地に甘えとったい"と。

山口が言った"もう恐くない"と。
原島が言った
"これからはROCKの世界
年功逆列ですから"と。
甲斐さんが言った"就職するけん..広島に"
拓郎が言った
"あんた達頑張りなさい。
先はまだ長い!"と
浦谷さんが言った
"山善芋引くなよ..."と。

記憶がどんどん消えていくのを
近頃切に感じる。
先輩達、同級生、後輩達...
皆の一言が、今でも俺の力となって生きている。
"僕のノートには君の名前は書いてある..."

「どっちが先だ」

2014年10月30日 17:54

                                                                                                                                                  満足できないとSATISFACTION。
すべて黒く塗れ。
始まったマリアンヌの
19回目の神経衰弱。
君と僕とは"クモとハエ"
PAULは言う"なすがままに"
MICKは"血を流せ"
ホラ吹きイナズマは
JUMPING JACK FLASH
君に会いたい"MISS YOU"
KIETHが言った俺は"HAPPY"
"一人ぼっちの世界"はCHARYが要
"JUMPING JACK FLASH"の印税で
大揉めのBILL
畑をほり返す"LITTLE RED LOOSTER"
酒場のおねぇちゃんは
今夜も大忙し"HONKYTONK WOMEN"
奴隷市場のテ-マ・ソング
"BROWN SUGER"はチョコレ-トの味がする。
"WILD HORSES"は君のことさ
"SWEET VIRGINIA"で大騒ぎ
孤独な男さ"I WANT A BE YOUR MAN"。
石の心の彼女は"HEART OF STONE"
"ANGIE"ってBOWIEの女!?
"涙あふれた"マリアンヌ
たかがROCKに命がけ"IT'S ONLY ROCKN ROLL"
"BEATLES"は目の上のたんこぶ
スタジオに篭った4人組は
昆虫採集。
シカゴでペンキ塗りしてた
神様の名前は"MUDDY WATERS"
ジョ-ジ・マ-ティンは
イギリス海軍のお偉方
アンドリュ-・オ-ルダム!?
何かフイルスペクタ-と似てねぇ~か?
ベロマ-クの印税の行方。
アンディ-ウォーホルは
実はれっきとした男だったと
ビアンカ・ジャガ-。
今だにデッカ・レコ-ドは大儲け
20年近くSTONESにいながら
今だに曲を採用されないRON WOOD
今日も酒びたり・・・
STONES50周年で
MICK TAYLORは家を建てた。
"DEAD FLOWER"が身近な
チャ-リ-にミックにキース


どっちが先に棺おけに入るか
競争だぜ、STONESとFUN

「夜明けの確認作業」

2014年10月30日 17:35


朝5時半
ベランダで寝起きの俺を、
犬のアランが
シッポを振って確かめに来た。 
危うく一本目の煙草で
人差し指と中指を火傷するところだった。
気を取り直して
コンピュ-タ-の電源を入れる。
昨日から今朝まで
皆、何をしていたのかと興味津々。


台所からCOFFEEを入れる臭い。
鼻から先に目が覚める。
FACE BOOKの
ジェ-ン・バーキンが唄ってる
..."ジュテ-ム"
6時を過ぎると夜明けが早い。
さっきまで見えていた月も
姿を消して
南の空から夜が明けてくる。
まだカラスは飛んでいない。
"カ-カ-"俺は起きたと
必ずカラスは鳴く。
仲間達が起きているかの確認だ。

STEREOからFACESをかける。
ROD STEWEART元気かい?
RON WOODも...

昨日寝がけに見た「ダ-ティ-ハリ-」
クリント・イ-ストウッドが
日本語を喋っていた。
名声優、山田康雄。
天国で悔しがってるに違いない。
イ-ストウッド
まだバリバリだぜ!!

先週見た天知茂の
「江戸川乱歩」の美女もの。
殆ど今は亡き名優ばかり。
古いけどいいものはいい。

隣の田中さんの飼い犬「レオ君」が
三日前死んだ。
17歳だった。
その朝おばさんと一緒に
ヨボヨボで歩いたのを確かに見た。
おばさん曰く
"私がお昼ちょっと出かけたうちに..."
後悔先に立たず。
近頃「レオ君」と
遊んでなかった事を悔やまれた。
「レオ君」が生まれてすぐ
田中さん方にもらわれてきた時
俺が大昔飼っていた
「シャトル」の小さい時とそっくりで
生まれ変わりかと思ったくらいだった。
それから17年。
俺も年を取ったが
犬は一年で人間より何倍も年を取る
それを忘れていた。

寝る時には
テレビ、コンピュ-タ-、炬燵の電源は
確実に消しましょう.
朝起きたら、
明るく"お早う"と声をかけましょう。
喧嘩して、自分が悪かったら
素直に謝りましょう..."ゴメンナサイ"
気になったら、すぐ電話しましょう。
素直な気持ちで
直ぐさま行動しましょう。
あっ!あの時...じゃ遅いのです。

親父88歳。
お袋84歳。
俺達もやっと
還暦を迎えて大人の仲間入り。
週に一回、必ず顔を見に行っている。
言葉遊びでコミニケ-ション。

皆、確認作業を忘れずに...
"多分アノ娘は、まだ俺に気がある!
...なんて高をくくっていたら
既に彼女は、
新しい恋を見つけてるかもしれないから・・・。
確認作業を忘れずに。
"愛してるよ・・・"。
"近頃元気がないみたいだけど・・・"
ってな具合にね。

「バランス」

2014年10月23日 20:55

左耳が聞こえない。
右目がボヤケてる。
鼻より口が大きい。

ハゲを隠す時代劇スタ-
...やっぱり髪があった方がいい。
笑いジワを伸ばしたら
全部可笑しくなった小柳ルミ子。
垂れ下がった尻。
洗濯板のブドウの乳首。

右足の膝は只今故障中。
腰をかばって
首をやられたROCKSTAR
足の親指は大きい方がいい。
ウエスタンブ-ツの履き過ぎで
つぶれた小指。
右手はブルブル震えて
左手は全く言う事を聞かない
還暦を迎えたSINGER。
モニタ-の音が小さいと
怒鳴りつけた浜田マリ。
昔の様に
そう簡単にJUMP出来ないぜ、陣内!
右足はダブルで叩いていた
HARD ROCKのドラマ-は実は格闘家。

鏡で見る自分。
左と右とが大違い。
飲みすぎで
左側を取っても右側で飲む酒は格別。
家が左に傾いている。
陥没した追い越し車線。
黄色はどうでもいいんだよ
赤と青が点滅してたら大変だ。

左利きで
左の足が26cmから26.5cmに。
兄貴の靴を拝借。
痩せた痩せた、
太っていた時のスーツは田舎の先輩が
ダイエットして丁度いい。
皮ジャンにTシャツ。
皮シャンにブル-ジ-ンズ。
皮ジャンに女。
皮ジャンにカビ。

この世界、バランスが大事。
自分自身の心のバランスを整えて
生きて行きましょう...。
時には大きな声で
"バカヤロ-"って叫ぶのもいい
左が重たけりゃ右が浮いてしまう。
時に素直に生きましょう。
そう言う俺も"還暦かぁ~"
人の意見にも耳を傾けましょう。
自分だけで突っ走っても
ろくな事はない。

俺からの提案です。
「バランス」ですね...。

「食べず嫌いの女」

2014年10月15日 18:45

女が言った。
BLUESが分からないと。
JAZZは好きだと...。
俺は空かさず答えた。
BLUESが分からなくて何がJAZZだと。
女はそれでも、マイルスがいいと言う。
ロバ-ト・ジョンソンは退屈だと..。
分かっちゃいねぇ~んだよ
まったく。
話にならない。


人の価値観って様々。
頭の固い奴は御免被ります。
まずは聴いて、答えて欲しい。
俺の価値観を
君に押し売りする訳じゃないけど
・・・努力して欲しい。
どんな音楽でもいいものはいい。
ギタ-とハ-モニカ。
シンプルでいい。
ピアノとサックス
ウッド・ベ-スに太鼓、いいじゃないか。
俺には分かる。
頭が柔軟なんだ。

遠くを見つめる君。
目の前の俺を感じて欲しい。
野暮な男かもしれないけど
誰よりも君のことを愛してる。
君にはBLUEしか見えないけど、
俺には色んな色が見えるんだ。
君のいいところを感じて
それ以上は求めない。
だって、それはFEELINGだろう。
価値観の差は埋められないけど
せめて二人だけの時は、愛し合おう。
だって、言葉は要らない。
BLUESもJAZZも同じなんだから。
同じ場所から流れてきてるのだから..

ROCKは分からないと言う君。
でも、BEATLESはいいと言う。
日本のROCKは何も知らない。
SONHOUSEの存在さえ。
それでいてJAZZはOKなんだね
BLUESもダメで、ROCKは何も分からない。
ただBEATLESは好きと言う
でも、そんな君が好きなんだ。
わかってくれるよね...。

さぁ~朝日が昇ったよ。
久しぶりにゆっくり眠れた気がする。
いつもの店で、待ってる
美味しいCOFFEEを飲もう。
砂糖をたっぷり、MILKもたくさん。
だって、君って
食わず嫌いの、大の音楽好きなんだもの。
いつか君にもBLUESが分かるよ..きっと。
KINKSって...知らないだろうね!?
いつか2人で聴こう。

 

 

 

「明日はきっと青空」

2014年10月15日 18:31

アノ娘は何十年前、
俺の後輩の彼女だった。
たしか「アケミ」と言う名前だった。
東京は国分寺の
ボロ・アパ-トで2人仲良く暮していた。
その時期
俺に東京でのLIVEが何本か決まった。
"狭い所やけど
良かったら山善うちに泊まったら?"


そんな具合で
後輩の三郎の家にお世話になる事になった。
奴は電報の配達をし
アケミは音楽雑誌のライターをしていた。
俺も奴らも、まだ若かった。
奴が仕事に出ると
アケミと二人になったが
色んな音楽を聞かせてくれた
特にアケミの好きな「HEATWAVE」を。

それから何年か経って
俺のRECORDINGが始まった。
三郎はピアノ弾きで
RECORDINGに参加。
勿論アケミも博多にやってきた。
RECORDINGのオフの時
2人で缶ビ-ルを提げて
俺のオンボロ・アトリエに遊びに来た事がある。
三郎は言った。
"山善、
今の時代、大人が光り輝いていないと思わない?
大人が疲れ切ってるから、
子供たちは大きくなっても
面白い世界は来ないって思うんじゃない?
だから俺達が好きな事して
光り輝いていなきゃ!
好きな事をやろうじゃないか!ねぇ山善!?"

先日の熊本のLIVE。
台風が接近
HOTELから出る事も出来ずテレビをつけた。
NHKの講談の独演会の中継があっていた。
睡魔と闘いながら何気なく見ていると
アナウンサ-が言った。
"それでは、
今年真打になった4方を紹介します"
画面には男が2人女が2人並んでいた。
二番目の髪の短い講談師が挨拶をし、
顔を上げた瞬間、
俺は思わずBEDから跳ね起きた
"アケミだ!いつのまに講談師に!!"

前々からアケミが
講談師の弟子入りをしてるらしいと
言う噂は聞いていた。
思わず胸が熱くなる感じがした。
"おめでとう!"
継続は力なり。

三郎は知ってるんだろうか?
何か物凄く元気をもらった気がした。
アケミは今
講談師の世界の入り口に立っている。
俺も還暦を迎え
再びエンジンのギヤを入れ直す、そんな時
見知らぬ町のHOTELで
何十年前に知り合ったアケミの晴れ舞台を見た。

HOTELを出ると風はただ強くなるばかり。
今夜もひと荒れ来そうだ。
でも俺の心はなんだか軽かった。
明日はきっと青空が戻ってくる
そう信じて...。

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