「キツツキ・ヘアーの男」

2014年03月02日 18:17

俺、随分酔ってるけど・・・

もう少し,強い奴を一杯くれ。

 

その昔、俺はBASSを弾いていたんだ。

歌は、ガカガラ声の大きな男で

大の女好きだったよ。

太鼓の奴は甘いマスク、

ゴキゲンなBEATを刻んでいた。 

この4人でアメリカの、

フィルモア・ウェストにも出演したよ。

結果、ギタ-の親分がBIKE事故で

アルバム二枚出して解散・・・・

キツツキ頭のガラガラ声のアイツと、

ブラブラしてたら、

「小さい顔」と言うBANDから、

二人まとめてお呼びがかかってさ~

何と、

この俺にギタ-を弾けという・・・。。

近くの行きつけのPUBで、

ガラガラ野郎と祝杯を上げたものさ。

すまないな・・。

バ-ボン、瓶ごとよこしてくれ。

ノッポのガラガラ野郎と

そこそこ酒の飲める

中柄の俺が入ったもんで、

BANDの名前も、

ただの「顔」と改めやがった。

皆、背は小さいが才能があるし、

"大の大酒飲み"って事で、

意気投合したね。

アルバム4枚。

俺の最高のル-ズなギタ-が聴ける

最高傑作だ。

あんたらの国、JAPANにも、

TOURで行った事がある。

そうだ!BASSが、

それこそJAPANの「TETSU」に変わってね。

凄い盛り上がりだったよ。

だから、俺の出番も必然的に

無いわけで・・・

丁度、そのころイギリスに帰って

とあるPARTYに顔を出したんだが、

あの天下のMICKから相談を受けたんだ。

そう!あのSTONESだぜ!

どうやら、

ミック・テ-ラ-が辞めるとかで、

"なぁ~考えてくれないか? 

キ-スの喜ぶ顔が目に浮かぶぜ・・"。

それから先のことは記憶に無い。

随分、深酒してたしな・・・。

昔なじみの、

ガラガラ野郎との最後のアメリカ・ツア-も、

やらなきゃいけなかったし、

その上MICKは強引に

レコ-デイグに来いと言う。

その頃の俺って、

頭の中がもうぐちゃぐちゃでさ。.、

毎晩、

いやステ-ジの上でも

酒を飲みっぱなしだった。

STONESの目に見えない重圧。

リード・ギタ-リストなのに、

サイドメンに徹しなきゃいけない辛さ。

飲んだね・・飲んだ!浴びるくらい。

結局STONESに入ったおかげで、

アルコ-ル依存症になったようなものさ。

今じゃ すっかりアル中だけどね・・・。

ねぇ君・・・"日本酒"がいいなぁ。。

頼むぜ、一本だけつけてくれないか、

喉が焼けるような熱燗を・・・・。

MICKから言われたよ。

"ロニ-、

STONESを取るか、酒をやめるか、

自分で決めるんだ。

これが最後の俺からの言葉だ。”

何回か施設に入って

アルコールから手を切ったものの

また手を出してと、

そんな事の繰り返し。

でも、俺も馬鹿じゃない。

今じゃこの通りさ、

JAPANで会おうな。