「春が来た」

2014年03月24日 12:29

 

一昨日から天気に恵まれ
野外で油絵を描く。
VW BEATLE 72型 赤。
見るからに形がいい。
流線型で、魅力的だ。
なかなか手を出せないまま、
長い冬が過ぎ、
やっとの事で、春が来た。
この三日間、
ペンキ屋みたいに汚れたくって
一心不乱に、
絵筆を振るった。
しかし、
ここ一番と言う時に、
必要な絵の具が切れる。
いくら搾り出しても、
もうENPTYなのだ。

呉服町の画材屋まで
"ALAN"と散歩がてら歩いていく。
"久しぶりやないですか、山善さん!
近頃音楽の方が忙しいっちゃないですか?"
"その方がいいとですよ、
忙しい中で絵を描く。
この方が集中して描けるけんですね。
あんまり時間があったら、
ろくな作品は出来んですよ。
で、今日は・・"
貯金箱から、
ありったけの金をかき集めて
用意して来た。
"社長!これだけ分買うけん。
筆はサ-ビスで!"
"相変わらず、
山善さんには負けるなぁ"

11時には帰り
息もつかず描き始める。
煙草を吸う暇などない。
喉が渇いたが、
小銭までも
油絵の具でベタベタになり
使えない。
"こんちきしょう!" 
車のボディ-に、
その悔しさをぶつける。
近くの公園には
隣の田中さんが
"レオ"君を散歩させる姿が・・。
そろそろ、
公園の桜も開花寸前だ。

上さんと後輩の妹が、
久山の"COSTOCO"から
買出しを終えて帰ってきた。
昼飯は"スパゲティ"
それも、
後輩の桐山栄治が作った
(Laffite'sBlacksmithShop)
イタリア産オリジナル・オリ-ブオイル。
ラベルは、
なんと俺が描いた油絵を
採用している。
うれしいじゃないか!
また、何よりこいつは
実に美味い。

腹いっぱい喰い、
テレビの前に横たわっていたら、
いつしか寝てしまった。
"あんた、
柴山さんからCD「ギラギラ」が届いたよ
素晴らしいよ"
一気に目が覚めた。
ベランダに出て、
一通り目を通した。
さすが柴山さんだ。素晴らしい。
音の方は、じっくりと
正座でもして聴きたいものだ。

その新作を手に、
ふと何気なく公園に目をやった。
"咲いている"
僅かだが、確実に。
昔のさまざまな、
思い出が甦って来た。
俺も随分歳を取ったが、
まだまだこれからだ。
苦いコ-ヒ-を飲み干し、
自分の心と向き合った。

今夜は友人の奥さんの通夜だ。
一年前を思い出す。
同じ場所で葬儀に出た。
彼女が愛した夫を葬ったのだ。

あの日は、
静かな雨が降っていた・・・