「さらば友よ」

2014年12月03日 21:02

真夜中の3時半。
電話が鳴る。
その夜は何故か寝苦しかった..
ベッド聞き耳を立てていたが
留守電に変わった途端、
何のメッセージも無く
電話は切れた。

その電話で目が覚めてからは
結局、一日調子が出なかった..
"○○子からの電話に違いない.."
近頃焼け酒を呑んでると噂を聞いていた。
気になって夕方、○○子に電話を入れたが
その日は珍しく11時には
床に就いたそうだ。

"山さん!
長い間、病室で宙に舞って
自分の寝姿を見ていたけれど
やっと天国に着きましたよ..
天国には公衆電話が一台もなく
連絡が遅くなったけれど
まだ山さんと面白い事
いっぱいしたかったですね。
お袋の事、宜しくお願いします。山さん!"
昨日の電話は
長い間病床に就いていたが
先日とうとう亡くなった
後輩からの電話じゃなかったんだろうかと
ふと思うようになった。
いや、そうに違いないと..

後輩の通夜に
お袋の出身でもある甘木まで
車を飛ばして行った。
早めに出たつもりだが
夕方の交通渋滞に呑まれて
結局通夜のぎりぎりに着いた。
今時分の夕方6時は
もう真っ暗だ。
田舎の葬儀場には
後輩の友人達が沢山駆けつけていた。
奴とは25年くらい前に知り合った。
後輩の深町健二郎が主催する忘年会が
筑後川温泉であると言う。
"お前、赤のゴルフのコンバ-チブルや?
幌を外しやい!暖房全開!
高速で行くじぇ~~!
"面白そうですねぇ~しかし寒かですよ
...山さん!"
"やかましい!
とにかく行くったい。
イタリア映画のごと
マルチェロ・マストロヤンニの
「甘い生活」のごと行くじぇ~~!"
筑後川温泉に着いた時
4人とも足は温かったけど
顔は痺れあがっていた。

それから20年振りにFACEBOOKで繋がった。
"山さん今度会いましょう!
面白い事しましょう!"
天神のオ-プン・カフェで
何度となく語り合いディスカッションを繰り返した。

今年の3月27日
「太刀洗平和記念館ピ-ス・キャンドル」
このイベントで
俺が描いた油絵を
地域住民の皆様の協力のもと
千羽鶴にて再現する。
平和に祈りを込めて
山善こと山部善次郎が歌うというイベントを
提案、企画したお前。
お前に見せたかったぜ
お前に聴かせたかったぜ!俺の歌を。
その時すでにお前はベットの上

高山!ゆっくり過ごしやい!
高山!飲みすぎるなよ!
高山!天国の女は性質が悪いらしいけん
気をつけやいよ...
高山!本当にご苦労さん

お前の笑った遺影が
今にも語りかけてきそうで
涙が止まらなかったぜ