「太郎の場合」

2014年11月27日 19:25

太郎は感じた"冷たい!"
朝6時に15階建てのマンションから
外に出た一歩
足の肉球がそう感じた
"本格的な秋が来た"と...
都会で暮らす太郎
やはり秋か冬がいい。
気持ちいい
冬はこの都会ではまるで
スケ-トリンクを
歩いてみたいに冷たい。
夏はジュウジュウ言う鉄板の上を
歩いているみたいだと。
田舎の犬が羨ましい

朝から開いてるパン屋さん
いい臭いがする
ドック・フ-ドにゃもう飽きた
味の濃いのはいけないと
ベジタリアンみたいな味気ない食事
生肉が食べたい
ケ-キが食べたい...

電信柱には
隣のマンションのトイプ-ドル
"イブ"ちゃんの臭いがした
キャンキャン吠えるけど
きっとオイラの事が好きなんだ
クンクンクン...
知らないオス犬の臭いがする
どうやら
中央公園に住んでるノラ犬"片目のJACK"
縄張り争いで左目をやられたそうだ
たくましい臭いがする
オイラみたいなボンボンじゃない
オオカミに近い大人の犬の臭い

ご主人が
同じマンションの未亡人と何か立ち話
おしっこしたいんですけど...
うんちも...
永遠と終わりそうにない
人間の会話

満月の夜
15階から見る月は最高
"アノ月に兎が住んでるのよ太郎..."
MAMAの瞳が潤んでる
多分昔の、アノ頃に見た
満月の夜の出来事を
思い出してるに違いない

ひんやりした
朝のアスファルトの感じが好きだ
砂利道は苦手だ
だってフロ-リングのお家で
育ったんだもん...僕。
しかし朝の都会は実にいいよ
人が誰も居なくて
堂々とシッポを振って歩ける
こんな季節が好きだ
本格的な秋が来そうだ・・・
ご主人のお下がりのTシャツだけは
御免こうむりたいもんだね
あぁ~気持ちいい