「振り子のない時計って、どうしてネジを巻けばいい」

2014年05月04日 18:18

ネジを巻け!
時計のネジを。
振り子が止まってる・・・
それが幼い頃の俺の役目。
椅子の上に登って、
バランスとって、
こんな役目が嫌だった。

誰もみな
人生のネジを巻いてきた。
君も、僕も、
そう誰もが。
振り子は同じ速さで動く。
カカチカチカチと
音を出して。

単純な毎日。
それが人生かもしれない。
くれぐれも、
人生のネジ巻きを
忘れてはいけない。
自分自身の手で巻いていくのだ。
強く巻きすぎて壊れる時もある。
逆に甘すぎて、
止まってしまう事も。

振り子は左から右へ
右から左へ
前や後ろには決して動かない。
単純な繰り返し。
それが、人生。
楽しい事もあれば
泣き出したくなる時もある。

いいじゃないか、
自分で巻いた時計のネジ。
振り子は嘘をつかない。
何台かの時計達が
止まって焼かれたのを
俺は見てきた。
また今でも尚、
逞しく動き続ける大時計は、
確実に時を刻み続けている。

ネジを失くす時。
そんな時もある
誰でもうっかりするそんな瞬間
魔の手は忍び寄る。
気を抜くな。
そうそう、
その調子。いつもの繰り返し。
恥ずかしい事はない。

朝日が昇り陽が沈む。
腰が曲がっても
しわが増えても
髪の毛が薄くなろうとも
恋人が去ろうとも
愛する人が旅立とうとも
時は、
刻々と刻まれていく。
目が見えなくなっても
耳が聞こえなくなっても・・・

今日もまた時計のネジを
俺は巻く。
随分重たくなったけど。
振り子を見てると
昔のあの頃が蘇る
走馬灯のように・・・
これでいいんだと。

そんな毎日に
してみたいと思わないかい?
君は。