「COOL DOWN」

2014年06月10日 17:41

車椅子の老人。
夫に先に旅立たれた未亡人。
残された幼い孫。
父の営む病院を引き継いだ息子。

昔の世代の俺達。
新しい世代の若者。
背が高い女の子
いやにガッチリした体格の若者。
足を引きずる人。
杖をつく40代。
都会の交差点を渡れない人達。

通りの少ない
デパ-ト・メントの前。
今から仕事の準備に大忙し
屋台の親父。
垂れ流された汚物。
痩せ細る宝石売り場の店員。
神経質な、頭の禿げた店主。
誰も居ない新聞社の受付。
ダイヤル回すが音信不通。

交差点でいきなり声を掛けられる。
"YAMAZEN"
思い出せないまま話し出す。
5分経って記憶が蘇る。
"久しぶりですねぇ
元気にしとったですか?"
立ち話、思いは募り
時間だけが過ぎていく。

上手く行ったリハ-サル。
"頭をCOOLにしたいんだ、
この俺は!"
"エスプレッソ・ダブル!"
砂糖とミルクを沢山入れて
COOL DOWN。
氷水が
こんなに美味いとは思わなかった。
二時間ぶりの煙草
黒のインディアン。
こいつに限る。

思い出す、朝の6時半。
BASSの正木の店の帰り。
交差点のど真ん中
タクシ-が止まってる。
にっちもさっちもいかない。
仕事帰りのホステス。
ピンクのワンピ-ス。
"ふざけるんじゃねぇ~!"
頭のネジが久しぶりに吹き飛んだ。
"馬鹿野郎~!"
思わず出た大きな声。

いかんいかん
頭を冷やせ・・・。