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「微妙な関係」

2014年04月12日 15:38

もう2ヶ月になるが
我が家に大きな犬が来た。
3歳の犬である。
上さんと俺と手分けして
朝晩1時間半ずつ
散歩に連れて行く。

そこで改めて思うのが、
動物というもの如何なる物も
オスはメスを求め、
同性は反撥し合う傾向にある、
という事だ。
散歩の最中、行き交う犬同士。
オス同士は一触即発。
気をつけていないと
喧嘩になってしまう。
ところがどうだ。
メスがどれだけ吠えても
オスは不快ではないどころか
発情期になると、
大小関係無く
興味さえ示している。
煩く怒鳴られても、
きつく噛みつかれても。
 

犬でも猫でも、
オスは女性が好きなのである。
例に漏れず
うちのアランもやはり
上さんに
より懐いている。 
 

常に女性が主導権を持つ。
元来男のDNAは
女性のDNAから
分かれたもの。
人間の場合でも、
子供の頃
体が弱いのは男の方だ。
女の子は逞しい。
口も達者で成長も早い。

 

オ-ストラリアの森林に
生息する可愛い鳥など
メスを引き入れる為に
立派な巣を作るそうだが
なんと気に入ってもらえる迄
何度もTRYするらしい。
自然界、
オスの方が綺麗で
派手であるのは
メスの気を引くため。
デビット・ボウイ然り
ミック・ジャガ-然り
見事に
メスの気を引いたじゃないか。

 

兎角この世、
男は女に頭が上がらない・・。
その裏側には
"愛"と言う文字があるのだろう。
いくらメス・・
いや女性に罵倒されても
オスどもは平気なのだ。
無償の愛。
いや、
ただやりたいだけかもしれない
いくつに成っても・・・。

「こんな寒い日は・・・」

2014年04月06日 22:55

 

外は雨。
3月の頭ぐらいに冷え込む朝。
新聞配達は相変わらず
俺よりも起きるのが遅い。

スタジオには埃被ったスピ-カ-。
誰にも見せられないエロ本。
カビの生えた緑色の皮ジャン。
若い奴らが作ったパネルが20枚。
何でもいただきましょう。
息を吹き込みましょう。

感度は抜群。
おい!
お前達の仲間が増えたぞ。
40年物のパイオニアスピ-カ-と
25年物のJBLが喜んでいる。
ゴミ置き場に放置されていた
YAMAHAのFOLK GUITERと
スピーカー。
冷たい雑巾で埃を拭けば、
これがなかなかの美男子。
ネックの多少の反りなどご愛嬌。
No Problem!
俺は
リ-ド・ギタリストじゃありません。
コ-ドさえ弾ければそれで十分。
新しい弦を張れば
それはもう
一流楽器店に陳列される程の
立派なもの。
音も年季が入っていますぜ、
お客さん!

只今、
24発のスピ-カ-が、
俺のアトリエで鳴っている。
STONESをアナログ盤で聴きましょう。
"JUMPING EDWARDS"
イアン・スチュワ-トのPIANOが、
ライ・ク-ダ-の
ボトル・ネックが鳴ってます。
"MICK、HARPが下手だな・・・。
"CHARIE、もっとスピ-ド上げて・・・。
"KIETHは? 只今ぶっ飛び中!
みんな、CDも便利だけど、
心の贅沢してみませんか?
時間に縛られず
レコ-ド盤に針を落としてみませんか?
多少のノイズ、かまいません。
それが、その時の思い出。
古い時計のように、
ネジを巻いてみませんか?
心が温かくなる。
こんな寒い日は・・・

 

 

「暗黙の了解」

2014年04月03日 16:19

奴らと初めて会ったのは
25年くらい前だったと
記憶している。
若いくせに、
渋い音楽を目指していた。

当時、西公園に
「鴻楼舘」と言う変な店があった。
カウンターの奥にはSTUDIOがあり、
FACESを辞めたばかりの山内テツや
結成したばかりのACCIDENTS、
BLUES BAND等、
多くのBANDが集まっていた。
思い出せば
本当に変な、変な店だった。
内の上さんも出入りしていたらしいが,
一度も顔を合わせた事など無かった。
後に俺の義弟になる
TAD三浦も常連で
各方面のミュージシャンと、
交流をしていたようだ。

そして天神のど真ん中、
西鉄グランドホテルの
斜め向かいにある空地が
ちょっとした市場の様になっていた。
屋台がいくつも設けられ
週末にはLIVEも開催されていた。
そこの音楽プロデュ-サーが
TAD三浦で、
いろんな福岡・博多のBANDを
出演させていた。

ある日、
俺にも白羽の矢が立ち
LIVEをしなきゃいけなくなったが、
当時俺はBANDを持っていなかった。
"三浦!俺、BANDが無いとばってん"
"大丈夫ですよ、山部さん。
二十歳そこそこの若手を
バックにつけさせますから。
BANDの名前は・・
なんとかBOXというアンプのような、
名前だったんじゃないですかね”

リハ-サルは一回もせず
前もって
演奏する曲名だけを伝えての本番。
オ-プニング・アクトは、
その若手のBANDだった。
"JUG&BOOGIE BOXです!"
演奏が始まった。
PUNKじゃない。
若いのに、
変に枯れた音を出す。
ヴォーカルは声が良く
元気がいい。
他のメンバ-は記憶に無いが
このヴォーカルだけは
とても印象的だった。

ようやく俺の出番。
JUG&BOOGIE BOXとの演奏だ。
歌う前から既に、
俺のマイクが
ビシャビシャに濡れている。
そしてニンニク臭い。
そうか、奴らは若い。
焼肉でも喰って
気合を入れて来たんだなと思い
何曲か歌ったが、
やはりマイクが臭い!
とにかく臭い。
ただ演奏はしっかりしている。

それから25年が経つ。
奴は50歳。 
今度生誕LIVEをやるらしい。
中洲Gate's 7で、その名も"大塚祭"
俺も招待された。
"大塚!
今度はお前のマイクと俺のマイクを、
別々にしてくれ!”
そう願いたい。
そして
"歌う前に、焼肉は喰うな!"
さぁ俺も還暦か。
奴らには負けられない。

 

「蛍のしっぽ」

2014年03月29日 14:49

夜、
自分の家から海の見える公園まで
散歩する。
博多も裏道を歩けば、
まだまだ風情があっていい。

ところが
最近気になり始めた事がある。
自動販売機が異常に多い。
以前から気付いてはいたが、
まるで、
毒キノコのように乱立してる。
"暗い夜道には気をつけましょう"
確かに明るくていいが、
往復一時間半の散歩コ-スで、
何人が缶コ-ヒ-を買うのだろう。
眠らない自動販売機。
小銭の落ちる音や
缶コ-ヒ-がガラガラと落ちる音も、
今まで聞いたことが無い。
無灯火の自転車に乗った
日焼けした老人が、
カンカンをひっくり返す音を
聞いたくらいだ。 

家に帰り着くまで、
ざっと見積もって
40台の自動販売機を見かけた。
乱立するコンビニエンスストア。
一ヶ月前に見かけた
店は閉ざされ、
別の場所に新しく灯がともる。
誰も居ない店内。
騒がしい場所は限られてる。
夜は、眠るものだ。
俺が20代の頃は
そんな店はなかった。
せいぜい開いていても
夜の11時迄だ。
品揃えもそこそこで
冷めた弁当を食っていた。
今じゃ
手に入らないものは無いくらい
立派なものが並んでいる。

その昔、
某大手飲料水会社の
自動販売機を2台
自宅下に設置していたが、
隣のアパ-トの住民から、
モ-タ-の音が煩いとクレームが来るわ
自分達さえも、
その騒音で眠れない日々が続き
結局、二台とも撤去してもらった。
確かに、
表通りから入り込んだ
この辺りは暗い。
公園も暗かった。
だが時々、
自動販売機が可哀相になる。
たったひとりで客を待ち続け、
誰も来ない夜を過ごす。
あまりにも、寂しくないかい。

ふと、秋月で見た
蛍の光を思い出した。
心温まる、自然な優しい明るさだ。
電気の無駄使いは止めましょう。

おっと、
そう言う俺も、
朝からコンピュ-タ-電源を
入れっぱなしだぜ!

「グローバルな時代」

2014年03月29日 14:46

先日、太刀洗平和記念館で開催された
折り鶴ARTピ-ス・キャンドルは、
大変素晴らしく、大成功に終わった。

沢山の入場者の中、
後輩のドキュメンタリ-監督が
連れてきたスタッフに、
金髪の背の高い女の子がいた。
彼女の名はスーザン・ベッカ-。 
ドイツ人、20代。
俺の息子達と
同じジェネレーションだ。

彼女に訊ねてみた。
"君は随分若いが、
日本の何に興味があるのか?"
すると、こう答えた。
"日本の音楽、
特にROCKを勉強したい、
その裏方の仕事も"
彼女は、日本のアニメによって
JAPANESE POP CULTUREに
興味を持ったらしい。 

不思議な感じがした。
俺達は戦後に生まれ、
自然とアメリカ、イギリスの音楽に
惹かれていったが
文化の逆輸入とでも言おうか、
自分のかつてのパンクバンド
「THE DRILL」も、
イギリスやドイツで
コアなファンがいると
聞かされた事がある。
音楽というのは
国や言葉の垣根を越えて、
確実に通じるのだなぁと
感心した次第だ。
昔、進駐軍の"ゼブラクラブ"で
歌っていたが、
当時から
ウケるバンドはウケていたし、
ウケないバンドは、
どんなに英語の発音が良くても、
ダメだったのを思い出した。

HEARTなんだ。
HEARTが伝わるんだ。
HEARTで訴え、
HEARTで答える。
そう言えば20年ほど前、
天神3丁目のLIVEBAR
「GRAND TOWN]で
歌っていた頃、
韓国のヘリコプタ-部隊にいた
気のいいヤンキ-から、
よくリクエストをもらっていた。
俺より随分若い奴で、
彼が所属する部隊のTシャツを
プレゼントされた事もあった。
 HEARTが伝わったのか。

スーザンから言われた。
"山部さん、
声、とても変わってる。
これ、大変だいじ。
うちのお父さんが
気に入ると思います、はい"
俺は思った。
"彼女には伝わらなかったんだな"

かの赤塚不二夫は言った。
「自分の心に聞いてみろ」
心のボスよ、有難う。

「海が見たくなったんだ・・・」

2014年03月27日 19:14

冷たい雨が昨日から降ってる。
傘をさすのさえもどかしい。
俺は一体
何処まで歩くんだろう。
穴の開いた靴に
水が入らないように
水溜まりを避けながら歩く。
赤と青のライト。
行き交うトラックに乗用車。
疲れ果て
家路を急いでるに違いない。

海を見たくなった。
昔、魚一匹棲んでいない
汚れた川を渡り、
流されたイカダ。
小学生の幼い俺達には、
最初の冒険だった。
トム・ソ-ヤみたいに輝いていた。
今は、どうだろう。
疲れきった体に鞭打って、
一歩ずつ歩く。
風が吹いても、嵐になろうとも
一歩ずつ。
今まで自分を甘やかした時期が
あまりにも長かった。
"そう思わないかい!?"
自問自答する。

海が見たい。
貨物船が停泊する海を。
連絡船から、
最後の乗客が降りてきた。
最終便のバスに乗り継ぎ
家路を急ぐ。
海が好きだ。都会の海が。
貿易船から
幾つもの大きなコンテナが、
何度となく降ろされる。
フォ-ク・リフトが蟻に見えてくる。
誰もいない海。
汽笛が俺の心を揺さぶる。
"準備は出来てるかい"
"出航~!"
いつか、
こんな貨物船の船底に隠れて、
世界中を旅してみたい。
勿論、ポケットの中はカラッポ。
それでもいいじゃないか。
夢は大きく。

雨は、
相変わらず降り続いている。
俺は、ゆっくり走りたい。
いや、歩きたい。
ヘッド・ライトが眩しいぜ。
無灯火の暴走自転車。
イヤ・ホ-ンを耳に突っ込んで、
携帯電話でメ-ルする女。
危ないぜ。
俺に突っ込む気かい!?
あんたから、
恨みを受けるような事を
した覚えは無いぜ。

海を見に行ったんだ。
破れた靴で、
雨が降る中、傘もささず。
でももう寒くない。 
俺には帰る家がある。

そこには
ドラマがある気がしないかい?
トレンチ・コ-トは持ってないけど、
ボロボロの皮ジャンと
ブル-・ジーンズなら持ってる。
古いタイプの男なんだ。
笑ってくれ、こんな無様な俺。
海を見たくてここまで来たんだ、
雨の中、傘もささず。

「朝はゆっくり時間をかけて」

2014年03月25日 20:32

歌を忘れた絵描き。
肩が痛い。
首が凝ってる。
手の平が
カサカサになってる
ベンジンの拭き過ぎで。
残り少ないオロナイン。
解け始めた馬油。
底に穴の開いた靴。
絵の具で、
黒の靴が黄色に変身。
握力の抜けた、両手。
覚醒した頭。
ギラギラ光る片目は鋭どく。
厚手の靴下は、
脱ぎ捨てて走り出せ。
弦の切れたギタ-。
張り替える気持ちも
今はわかず。
押し迫るハ-ドル。
落とされた250キロ爆弾。
逃げ惑う、老人と子供達。
歌を忘れたカナリア。
うるさく鳴く、黒いカラス。
近頃、声がかすれてる。
今まで見えていた山が、
曇って見えない。
空気清浄機、全開。
水道水もヤバいらしい。
目の裏も焼けて、
良く見えない。
カラカラ乾く喉の奥。
右足の関節が治らない。
50肩はいつの間に治って
腕立て伏せをしたら酷い事に。
無理はやめましょう。
リズムを取り戻して。
ゆっくりと進めば、
きっと、
いい事あるに違いない。
左手の指先が痛い。
埃かぶった脳みそ。
埃を払って唄う、
思い出しながら。
焦る気持ちは分かるけど
眠るときには、
ちゃんと眠りましょう。
そう、
焦っても何も変わらない。
目が覚めたら、煙草でも。
目が覚めたら、COFFEEでも・・・。
近くの公園には、ほら。
桜の花が既に咲いている。
君より、早くね・・・。
朝は、ゆっくり時間をかけて

     

「春が来た」

2014年03月24日 12:29

 

一昨日から天気に恵まれ
野外で油絵を描く。
VW BEATLE 72型 赤。
見るからに形がいい。
流線型で、魅力的だ。
なかなか手を出せないまま、
長い冬が過ぎ、
やっとの事で、春が来た。
この三日間、
ペンキ屋みたいに汚れたくって
一心不乱に、
絵筆を振るった。
しかし、
ここ一番と言う時に、
必要な絵の具が切れる。
いくら搾り出しても、
もうENPTYなのだ。

呉服町の画材屋まで
"ALAN"と散歩がてら歩いていく。
"久しぶりやないですか、山善さん!
近頃音楽の方が忙しいっちゃないですか?"
"その方がいいとですよ、
忙しい中で絵を描く。
この方が集中して描けるけんですね。
あんまり時間があったら、
ろくな作品は出来んですよ。
で、今日は・・"
貯金箱から、
ありったけの金をかき集めて
用意して来た。
"社長!これだけ分買うけん。
筆はサ-ビスで!"
"相変わらず、
山善さんには負けるなぁ"

11時には帰り
息もつかず描き始める。
煙草を吸う暇などない。
喉が渇いたが、
小銭までも
油絵の具でベタベタになり
使えない。
"こんちきしょう!" 
車のボディ-に、
その悔しさをぶつける。
近くの公園には
隣の田中さんが
"レオ"君を散歩させる姿が・・。
そろそろ、
公園の桜も開花寸前だ。

上さんと後輩の妹が、
久山の"COSTOCO"から
買出しを終えて帰ってきた。
昼飯は"スパゲティ"
それも、
後輩の桐山栄治が作った
(Laffite'sBlacksmithShop)
イタリア産オリジナル・オリ-ブオイル。
ラベルは、
なんと俺が描いた油絵を
採用している。
うれしいじゃないか!
また、何よりこいつは
実に美味い。

腹いっぱい喰い、
テレビの前に横たわっていたら、
いつしか寝てしまった。
"あんた、
柴山さんからCD「ギラギラ」が届いたよ
素晴らしいよ"
一気に目が覚めた。
ベランダに出て、
一通り目を通した。
さすが柴山さんだ。素晴らしい。
音の方は、じっくりと
正座でもして聴きたいものだ。

その新作を手に、
ふと何気なく公園に目をやった。
"咲いている"
僅かだが、確実に。
昔のさまざまな、
思い出が甦って来た。
俺も随分歳を取ったが、
まだまだこれからだ。
苦いコ-ヒ-を飲み干し、
自分の心と向き合った。

今夜は友人の奥さんの通夜だ。
一年前を思い出す。
同じ場所で葬儀に出た。
彼女が愛した夫を葬ったのだ。

あの日は、
静かな雨が降っていた・・・

 

 

 

 

「不自然な時代・映画版」

2014年03月07日 14:07

 

オリジナルに限る。
アラン・ドロンがいい。
マット・デイモンは影が無い。
爽やか過ぎる・。
 「太陽がいっぱい」
フランス映画が良かった。
昔は、
フランス映画にイタリア映画、
イギリス映画と
アメリカ映画だけじゃなかった。
以前、
ジャン・ポ-ル・ベルモンドの
「OH!」という映画にはまった。
「気狂いピエロ」じゃなくて、
「勝手にしやがれ」でもなくて
「リオの男」「カトマンズの男」も
良かったが、
あの、ブ男のベルモンドが、
しがない銀行強盗団の
お抱え運転手。
 恋人役は売れっ子モデル、
ジョアンナ・シムカス。
この映画の影響で
ネクタイをしないこの俺が、
思わずネクタイを買った。
アラン・ドロンは色男で、
しかも影が匂う。
リノ・バンチェラは渋い。
ジャン・ギャバンは迫力。
ミシェル・ピコリは永遠の脇役。

同じリメイク版といえば、
「スパイ大作戦」がある。
アメリカのやつだが、
トム・ク-ルズが演じるのは
映画版。
ピ-タ-・グレイブスはTV映画版。
映画版になると、
どうしても派手で
豪快に成り過ぎる傾向にある。
TV版は地道に仕事をこなす。
そこが、素晴らしい。
 「バット・マン」「ス-パ-マン」も、
俺はTV版が好きだ。
はじめから、
外人が日本語を喋っている。
時には関西弁、博多弁。
近頃、
ケ-ブル・テレビを引いて、
昔の日本の映画、TVをよく観るが
フランス映画と似ていると
つくづく思う。
イタリア映画やイギリス映画にも。

やはり、
国が大きいアメリカ映画とは違い、
国の狭い
フランス、イギリス、イタリアが、
日本の風土と
良く似てるんじゃないかと。

しかし昨日観た
マット・デイモンの
「太陽がいっぱい」のリメイクには、
がっかりした。
俺達が知っている、
アラン・ドロンの
「太陽がいっぱい」は、
いったい何処に行ったんだい?

今夜、
レ-ザ-・ディスクの二枚組で、
観直す事にしよう。
若かりし頃の
自分を思い出しながら。

  

 

 

「キツツキ・ヘアーの男」

2014年03月02日 18:17

俺、随分酔ってるけど・・・

もう少し,強い奴を一杯くれ。

 

その昔、俺はBASSを弾いていたんだ。

歌は、ガカガラ声の大きな男で

大の女好きだったよ。

太鼓の奴は甘いマスク、

ゴキゲンなBEATを刻んでいた。 

この4人でアメリカの、

フィルモア・ウェストにも出演したよ。

結果、ギタ-の親分がBIKE事故で

アルバム二枚出して解散・・・・

キツツキ頭のガラガラ声のアイツと、

ブラブラしてたら、

「小さい顔」と言うBANDから、

二人まとめてお呼びがかかってさ~

何と、

この俺にギタ-を弾けという・・・。。

近くの行きつけのPUBで、

ガラガラ野郎と祝杯を上げたものさ。

すまないな・・。

バ-ボン、瓶ごとよこしてくれ。

ノッポのガラガラ野郎と

そこそこ酒の飲める

中柄の俺が入ったもんで、

BANDの名前も、

ただの「顔」と改めやがった。

皆、背は小さいが才能があるし、

"大の大酒飲み"って事で、

意気投合したね。

アルバム4枚。

俺の最高のル-ズなギタ-が聴ける

最高傑作だ。

あんたらの国、JAPANにも、

TOURで行った事がある。

そうだ!BASSが、

それこそJAPANの「TETSU」に変わってね。

凄い盛り上がりだったよ。

だから、俺の出番も必然的に

無いわけで・・・

丁度、そのころイギリスに帰って

とあるPARTYに顔を出したんだが、

あの天下のMICKから相談を受けたんだ。

そう!あのSTONESだぜ!

どうやら、

ミック・テ-ラ-が辞めるとかで、

"なぁ~考えてくれないか? 

キ-スの喜ぶ顔が目に浮かぶぜ・・"。

それから先のことは記憶に無い。

随分、深酒してたしな・・・。

昔なじみの、

ガラガラ野郎との最後のアメリカ・ツア-も、

やらなきゃいけなかったし、

その上MICKは強引に

レコ-デイグに来いと言う。

その頃の俺って、

頭の中がもうぐちゃぐちゃでさ。.、

毎晩、

いやステ-ジの上でも

酒を飲みっぱなしだった。

STONESの目に見えない重圧。

リード・ギタ-リストなのに、

サイドメンに徹しなきゃいけない辛さ。

飲んだね・・飲んだ!浴びるくらい。

結局STONESに入ったおかげで、

アルコ-ル依存症になったようなものさ。

今じゃ すっかりアル中だけどね・・・。

ねぇ君・・・"日本酒"がいいなぁ。。

頼むぜ、一本だけつけてくれないか、

喉が焼けるような熱燗を・・・・。

MICKから言われたよ。

"ロニ-、

STONESを取るか、酒をやめるか、

自分で決めるんだ。

これが最後の俺からの言葉だ。”

何回か施設に入って

アルコールから手を切ったものの

また手を出してと、

そんな事の繰り返し。

でも、俺も馬鹿じゃない。

今じゃこの通りさ、

JAPANで会おうな。

 

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